鬼が隠れる理由
「困った!」
ネズミが天井裏を走っている。
穴だらけの家の宿命だ。
見えない所の穴は塞げないから、ネズミが嫌う「臭い」を使おう。
買っておいた忌避のスプレーは切れてしまっている。
買うには値が高い。
「そうだ!」
蚊取り線香を焚いて退散させよう。
まだたくさんあったはず。
■失せ物になった蚊取り線香
家探ししたが見つからない。
「使う時に無い!」
「神隠し?」
いや「鬼隠し」だ。
これが人の宿命。
→ 目につく所に置かないと忘れる
そして、子ども達の遊びを思い出した。
「鬼さんこちら」
「隠し・隠れる」のが鬼・・・
そんなヒントになっている。
先人は、鬼という存在や正体も知っていた。
それは危険な連中。
人を操って悲劇を起こしている。
しかし鬼は視界から隠れ続け、人にその存在を忘れさせてしまった。
→ 見えなければやがて忘れる
「戦争や事故」を起こしている存在であっても、視界から隠れたら忘れてしまう。
これが鬼の悪知恵である。
人類は、まんまと弱点を突かれた形であり、思い出すのは節分の豆撒きの時くらい。
これほど実害を受けているのに。
■猫のほうが賢い
目につく所を避けて、鬼はよく天井の隅に隠れている。
猫がそれを、不思議な顔で見つめる。
敏感な人なら、叫ぶ。
「鬼か!」
びっくりした鬼は、逃げる。
先人はそれだけ敏感だったのに、現代人はあれ程の戦争を体験しても、鬼が原因だと読めなくなった。
不甲斐(フガイ)ない。
ここらで猫の目の助けを借りて、鬼退治をしなければ。
子供にも、「鬼が隠れる理由」を教えておこう。
「悪さをするためだ」
「おにこわい」
「大丈夫、こう言ってごらん」
「『そこしれぬところへいけー』!」
イハの名を知ると、子供でも鬼に勝てる。
岩の上に立つ人は特別なのだから。
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